平成21年度 事業報告
1)疫学調査支援事業
@鎮痛薬による消化管粘膜傷害に対する医師の意識調査:整形外科医等のNSAID処方医の消化管粘膜傷害リスクに関する意識調査を行った結果、NSAIDの出血等の副作用に対する意識が低いことが判明した(昨年度)。
本調査結果については学術雑誌に掲載された。
Association between adherence to evidence-based guideline for the prescription
of nonsteroidai anti-inflammatory drugs and the incidence of gastric mucosal
lesions in Japanese patients. Hidetaka Tsumura, T.Fujita et al., J. Gastroenterology
2010 (in press).
A低用量アスピリンによる消化管粘膜傷害の実態調査:三木市民病院および神戸大学病院の消化器内科を受診した低用量アスピリン使用による上部消化管病変の疫学調査を実施し、その解析を行った。低用量アスピリン服薬患者の1.8%が消化管出血を引き起こしていることが判明した(昨年度)。
本調査結果を投稿中である。
Low-dose aspirin-induced gastroduodenal mucosal injury in Japanese patients with arteriosclerotic disease. Isamu Tamura, T.Fujita et al.
2)臨床研究支援事業
@低用量アスピリン投与による上部消化管粘膜傷害の発生に対するプロトンポンプ阻害薬の予防効果(医師主導臨床試験)を2008年8月から開始した。試験進捗状況から施設を追加するとともに試験期間を平成22年4月30日から同年11月30日まで延期し継続している。関西地区、福井地区及び関東地区の36施設からの参加を得て、285症例を目標としている。主任研究者は、神戸大学医学部消化器内科 東健教授、Web登録及びデータ管理は先端医療振興財団の臨床研究情報センターが担当を継続している。
A消化管内視鏡治療、ハンズオンセミナー:全国規模のハンズオンセミナーを平成21年6月13日(土)に神戸医療機器開発センター「MEDDEC」で、全国から50名の臨床内視鏡医師の参加を得て開催、NPO法人として後援した。
B消化管内視鏡治療、ハンズオンセミナー:近畿地区ハンズオンセミナーを平成21年7月11日(土)に神戸医療機器開発センターで開催、NPO法人として後援した。
3)研究開発事業
@食道・胃・十二指腸障害の症状によるQOLの尺度開発:神戸大学付属病院の消化器内科を受診した200名の患者にアンケート調査を実施している。共同研究先のNPO法人のiHOPEとの共同研究継続中。
4)情報提供事業
@日本消化器病学会近畿支部会としての第41回市民公開講座「肝炎について、消化器癌検診について」を開催し、後援した。
Aホームページ(GI-CARE)を更新し、本NPO法人活動状況を報告している。
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