理事長のご挨拶
特定非営利活動法人 消化器健康医療研究機構
理事長 久津見 弘
近年、消化器疾患は優れた治療薬の開発、内視鏡技術の進歩によって飛躍的にその診断及び
治療法が向上してきています。しかし、消化器免疫疾患をはじめ、消化器癌、機能性胃
腸症、過敏性腸症候群、高齢化社会における薬物による消化管障害、臓器移植など、診断・
治療・予防に関するエビデンス(根拠)はまだまだ不十分であり、患者さんの生活の質(QOL)
や未だ満たされない患者さんの要望(アンメット・メディカルニーズ)への対応など患者の立場
に立った医療が求められているのが現状であります。
従来、医療の向上あるいは疾患に関する啓発活動は、それぞれの医療機関でそれぞれに努
力してきたところでありますが、複雑化する病態や疾病構造の変化或は進歩する高度技術の
中で、その限界が指摘されてきています。医学・薬学あるいは医療経済といった観点からそれ
ぞれの領域を融合し、また、領域を超えた活動或は地域社会や国際社会に視点を置いた患者
主体の総合的医療活動が求められてきています。
今回、消化器専門医のみならず関連疾患の専門医、薬学研究者、医療経済専門家とのネット
ワークを活用し、広く市民活動として医療を支援する法人の設立の必要性を認識しました。
この法人は、広く消化器疾患医療に関する学術・疫学調査或は臨床研究の支援活動により高
質なエビデンスを創出するとともに、国際活動を通して医療水準の高揚と専門医の養成や地域
医療も視野に入れた診断・治療・予防に関する医療連携の充実並びに医療の質の向上に貢献
することを目的とします。
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