平成27年度 事業報告
1)疫学研究支援事業
大規模疫学調査UGID研究(上部消化管疾患の罹患状況と経過に関するコホート研究−多施設共同調査−、5年間の前向き調査に関する研究)の7施設で1年後、2年後及び3年後継続調査を進め、1年後調査症例として約4500症例を収集。初年度受診者登録が8900例の登録であり、1年後の計直調査のリピート率は約50%である。初診8900例のデータを解析し、3つのテーマが平成28年4月に開催される日本消化器病学会総会並びに5月の米国消化器病学会で発表した。
2)臨床研究支援事業
@ 一般社団法人神戸国際消化器内視鏡教育センター主催「The 4th Kobe International Endoscopy Hands-on-Seminar~Advanced Course for ESD~」を、平成27年6月12日(金)〜14日(日)に神戸医療機器開発センター「MEDDEC」、神戸国際フロンティアメディカルセンター「KIFMEC」、神戸ポートピアホテルにて開催され、後援をした。海外11カ国から23名の消化器内視鏡医を対象に、切除組織及び生体ブタを用いた内視鏡的粘膜下層剥離術の実技指導を行った。参加者からは、最新の医療機器を用いた治療法手技に触れ、またその技術習得に向けて効率的な実技指導を受けることができたという点において大変有意義なセミナーであったと評価を頂いた。
A 神戸消化器内視鏡治療研究会主催ハンズオンセミナー: 本年度もESD技術の普及と研修を目的とした「ESD Hands on seminar in Kobe」が平成27年6月6日(土)に神戸医療機器開発センター「MEDDEC」で30名の参加を得て開催され、後援した。本セミナーは日本消化器内視鏡学会認定ハンズオンセミナーとして定着してきており、ESD技術が更に普及し、特に早期胃癌における治療法の一つの選択肢として普及してきた。
B 一般社団法人神戸国際消化器内視鏡教育センター(I GET KOBE)を支援し、内視鏡専門医の育成を推進した。現在、マニラのセントルークスメディカルセンターにおける常駐内視鏡医の派遣を行っている。
3)研究開発事業
本年度は、経済産業省「平成27年度医療技術・サービス拠点化促進事業」募集において、「マニラにおける国際先進消化器内視鏡センター設立」プロジェクトが採用され、平成27年7月1日より平成28年2月29日まで活動を行った。成果として、マニラのグローバルシティー内のセントルークスメディカルセンターに「国際先進消化器内視鏡センター」が、平成27年10月12日に設立された。現在現地に医師を派遣し日本式最先端内視鏡技術による診断・治療教育・指導が開始されている。本事業は当NPO法人が主体となり、神戸大学、参加団体の株式会社消化器健康医療サポート(GIサポート)及び一般社団法人神戸国際消化器内視鏡教育センター (I GET KOBE)の協力の下で達成されたものである。今後、日本式内視鏡技術並びに日本の医療機器のアジアでの拠点作りに役立つものと期待されている。なお、本プロジェクトは、平成28年2月29日をもって終了した。
4)教育支援事業
@ 消化管内視鏡治療技術トレーニング並びに海外教育支援に関する株式会社消化器健康医療サポートへの支援を行った。
A マニラのセントルークスメディカルセンターの看護師3名を受け入れ、内視鏡検査・治療時における看護師の役割について教育指導の支援を行った。
B 市民公開講座:平成27年6月28日に日本ヘリコバクター学会学術集会(会長 東 健神戸大学消化器内科学分野教授)が神戸で開催されることに伴い、学会主導の市民公開講座を協賛団体として支援した。ヘリコバクターピロリ感染と胃がんとの関連を中心に、東海大学医学部総合内科学教授の高木敦司先生と神戸大学医学部消化器内科特命教授の梅垣英次先生から、ピロリ菌除菌療法、胃がんに対する内視鏡治療の分かりやすい講演を頂き、好評裏に終了した。
5)情報提供事業
GI-CAREホームページのタイムリーな更新、各種の活動情報を掲載した。
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