令和2年度 事業報告
令和2年4月1日から令和3年3月31日
1)疫学研究支援事業
大規模疫学調査UGID研究(上部消化管疾患の罹患状況と経過に関するコホート研究−多施設共同調査−、5年間の前向き調査に関する研究)の7施設で5年後の継続調査を進めた。初年度受診者の解析登録者数は8889例であったが、2018年11月に同意撤回例が1例あったことにより現時点では8888例がベースライン症例となっている。令和3年3月作成の最終データベースでは、経過観察症例数は1年後が5577例、2年後が5422例、3年後が5014例、4年後が4644例、5年後が3111例となっている。登録時から毎年受診した症例は2年後まで毎年が4436例、3年後まで毎年が3726例、4年後まで毎年が3156例、5年後まで毎年が1708例であった。
令和2年8月の第106回日本消化器病学会総会において、登録時のデータを用いたBMIと上腹部症状との関連における性別の影響についての演題がワークショップに、無症候性びらん性食道炎の4年間の自然経過についての演題が一般演題に採択され発表した(新型コロナ感染症のパンデミックのため誌上発表となった)。
論文としては、BMIと上腹部症状との関連における性別の影響についての論文がJGH open (an open access journal of gastroenterology and hepatology)に受理された(Ogisu K, Masuda A, Fujita T, Yamazaki Y, Kobayashi M, Terao S, Sanuki T, Okada A, Adachi M, Arisaka Y, Miyazaki H, Yoshinaka H, Kutsumi H, Umegaki E, Kodama Y. Influence of sex on the association between body mass index and frequency of upper gastrointestinal symptoms. JGH Open. 2020 Jun 5;4(5):937-944.)。これらの学会発表および論文発表は本コホート研究が、学術レベルで高く評価されている結果と考える。現在、ベースラインのデータを用いたFDのリスク因子に関する論文を投稿準備中である。来年度からは5年間の最終データベースを用いた解析を進める。
2)臨床試験支援事業
@ 一般社団法人神戸国際消化器内視鏡教育センター主催「The 9th Kobe International Endoscopy Hands-on Seminar」を2020年6月12日(金)〜6月14日(日)に開催し、後援する予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、2022年に延期となった。
A 近畿内視鏡治療研究会・神戸国際消化器内視鏡教育センター・日本消化器内視鏡学会共催「第16回近畿内視鏡治療研究会ライブセミナー」を令和3年3月27日(土)に草津総合病院にて開催、これを事務局としてサポートした。約150名の内視鏡医・コメディカル・企業を対象に、14名の講師による講義(内視鏡診断・治療に関連した基調講演)とライブ7症例をライブ配信した。
B 一般社団法人神戸国際消化器内視鏡教育センター(I GET KOBE)を支援し、内視鏡専門医の育成推進を支援した。
3)教育支援事業
第7回市民公開講座:今年度は、開催無し。
4)情報提供事業
GI-CAREホームページへのタイムリーな更新、各種の活動情報を掲載した。
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